「家族がそろわないと食べられない」「量の調節が難しい」

エバラの人気商品「プチッと鍋」 「想像以上」のヒットの裏にあった、担当者の確信

 

2022年1/3(月)

 

 

 「1プチッと1人前」のキャッチコピーで知られるエバラ食品工業横浜市西区)の「プチッと鍋」ガムシロップなどに使われる「ポーション容器」に入った液体調味料で、2013年の発売以来、売り上げは右肩上がりを続けている。1人でも、家族でも、手軽に「鍋」を楽しんでほしい-。開発の裏側には、担当者たちのそんな思いがあった。

 

「家族がそろわないと食べられない」「量の調節が難しい」

 

 同社が実施した調査で、鍋料理についてこんな悩みを抱える人がいると分かったのが、商品開発のきっかけ。核家族化が進むなどし、瓶やボトルに入った鍋物調味料の売り上げが減少してきたことも後押しした。

 

 プチッと鍋は、さまざまな原料を混ぜ合わせ、だしの香りやうま味を凝縮した液体調味料。ポーション容器に、1人分ずつ入っているのが特徴だ。水や具材を入れた鍋に人数分を投入すれば、簡単に好みの鍋料理を作ることができる。

 

 定番の寄せ鍋やキムチ鍋、白湯(ぱいたん)鍋から販売を開始。カレーやみそをベースの味としたものなども取りそろえ、今では計10種類を展開している。商品バリエーションも増え、同社の看板商品になりつつあるが、「開発段階では、否定的な意見もありました」と商品開発部の坪根優子さん(30)は明かす。

 

 12年春、マーケティング部門や開発部門を中心に、商品開発プロジェクトを立ち上げたものの、当初、社内では「鍋料理は家族で囲んで食べるもの」との考えから、個食鍋に疑問を抱く人も少なくなかった。しかし世帯人数の減少や個食志向の高まりを背景に、需要は確実にあるとして商品化に踏み切った。

 

 「一から積み上げて、作り上げた商品です」と話すのは、広報担当の渡邉紗也さん(25)。今までにない商品を生み出す過程では、調味液が容器内で沈殿しないようにしたり、水で薄めても味や香りを損なわないようにしたりと、試行錯誤を繰り返したという。

 

 そんな取り組みが実を結び、新商品発売時は「5億円を超えるのは難しい」とされる中、初年度は約9億円と「想像以上」の売り上げを記録。翌年には18億円と倍増した。

 

 その後、ポーション容器入り商品はステーキの調味料などでも展開。同社の「ポーション調味料群」の売上高は、20年度には52億円まで伸長した。

 

神奈川新聞社さんの記事でした!

 

 

 

 

 

 

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