農高の農機老朽化進む 使用20年以上が約3割 学校農場協会調べ
2022年5/1(日)
農業高校の農場で使っている農機・車両の3割近くが使い始めて20年以上経過し、老朽化が激しいことが全国学校農場協会の部会の調べで分かった。故障による作業や授業の中断、生徒を事故に巻き込むといった懸念がある。生徒の安全のためにも、速やかな更新ができるよう行政による予算措置を求めている。
山梨、静岡両県と関東地方の30校で調査。農業関係高校の農場で使うトラクターなどの農機と、軽トラックやマイクロバスなどの一般車両について、老朽化の実態が明らかになった。
農機は歩行耕運機が77台、小型トラクター71台など、30校で306台を保有。20年以上経過した農機は116台で29%になった。最も古い農機は保有してから53年も経過していた。
一般車両は141台あり、26%が保有してから20年以上だった。最古の車両は35年たっていた。
授業中断、事故の懸念高まる
老朽化により発生した事故として、オイル漏れやギア破損などが挙げられた。トラックがエンジントラブルで公道で止まったり、故障のため生産物に部品が混入したりといった事例も報告されている。事故まではいかないが、通常の農場管理業務や生徒の授業が中断されたこともあった。
事故を未然に防ぐため、農場の管理者は「使用中に不具合を感じたらすぐに点検する」「リースを利用」などの対応をしている。一方、生徒の実習で栽培する作物の「面積や種類を限定する」といった、教育の機会を縮小するような対応策も挙がっていた。古い機械は修繕費や修理の手間がかかる。細部の点検が重要だが、費用面から車両点検をしていないという答えもあった。
調査した同協会の農業機械部会は「更新がスムーズにいかず、老朽化した車両を使っている学校が多いことが分かった」としている。事故は命にも関わるため「職員、生徒が事故に遭遇しないような環境づくりが必要」と農機・車両面の整備を求めている。
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