少し前の記事ですが「現在確認されている巨大翼竜は4種」

大陸間を休まず飛行できた巨大翼竜

2010.10.18

natgeo.nikkeibp.co.jp

太陽の写真の上にラジコン模型のケツァルコアトルス・ノルトロピをデジタル処理で重ね合わせた合成画像。 Image by William James Warren, Science Faction/Corbis Images

 

 恐竜時代にマイレージサービスがあったなら、最もたくさんポイントを稼いだのは最長1万6000キロもの距離を一気に飛行できた大型翼竜だったかもしれない。 現在確認されている巨大翼竜は4種で、中でも大きなものはキリンと同程度の体高で翼開長は10メートルを超える。

 

 研究の共著者でピッツバーグにあるチャタム大学の古生物学者マイケル・ハビブ氏は、この巨大な動物は上昇する暖気と気流に乗ることで記録的な飛行距離を達成していたようだと話す。

 

「彼らはおそらく一度に数分間しか羽ばたきをせず、その後は筋力を回復させる必要があった。その合間は力を使わない方法で飛行し」滑空していたとハビブ氏は推測する。ただ、もしそうだとしても約72キログラムの蓄積脂肪を1回の飛行で燃焼する必要があった。「つまり、1回の飛行でヒト1人分に匹敵する重さの脂肪を燃焼していた」と同氏は語る。

 

 今回新たに算出された飛行距離の推定値は、翼幅、翼の形、体重、そして蓄積できる脂肪の量に基づいている。「難しかったのは、彼らがどれ位の燃料を運べるのかを決めることだった」とハビブ氏は述べる。例えば「渡り鳥は、長距離の渡りで体重のおよそ50%を失う」という。

 

 しかし、翼竜が必要としていた量は異なっていたかもしれない。というのも、その骨格構造からみて、彼らが現代の鳥とは異なる方法で飛行していた可能性があるからだ。例えば、翼竜の飛び方を考察する際、現存する最大の鳥であるワタリアホウドリがその原型として考えられていた時期があった。しかしハビブ氏は、「われわれは、翼竜の羽ばたきの回数も上昇の仕方も、アホウドリと同じだとは思っていない」と話す。

 

 ハビブ氏によれば1万6000キロという推定飛行距離はやや控えめでさえあるかもしれない。「推定距離は最短でおよそ8000キロ、最長でおよそ3万2000キロとなった。その中間ですべての数字が揃って大いに自信を持ったのが、およそ1万マイル(1万6000キロ)だった」。

 

 今回の研究は、大型翼竜は大きすぎて地面から飛び立つことさえままならないとしていたこれまでの研究と矛盾するように見える。例えば、7000万年前に現在のテキサス州に生息していた巨大翼竜ケツァルコアトルス・ノルトロピは体重が200キロを超え、飛行する生物としては史上最大だったと考えられている。これほどの重さがある生物は鳥のように地面から飛び立つことができず、木や崖から飛び降りる必要があったと推測する科学者もいる。

 

 しかしハビブ氏の研究チームは、巨大翼竜は現代のコウモリの仲間と同じように4本の脚をすべて使って空中に飛び上がり、それから羽ばたいていた可能性があると考えている。翼竜が鳥とは異なる方法で飛び立っていたとする考えに、私は大いに自信を持っている」とハビブ氏は話す。

 

 今回の研究は概して「(翼竜の)体の各部の働きについて再考を促す」ものだと、リオデジャネイロにあるブラジル国立博物館翼竜専門家アレキサンダー・ケルナー氏は話す。ただし、ケルナー氏はこの研究結果にやや疑問を持っている。

 

 というのも、飛行距離の推定に影響を与える翼竜の身体構造については、まだわかっていない点がいくつかあるからだとケルナー氏は言う。例えば、中国で見つかった保存状態の非常に良い翼竜は、繊維状の構造物でできた複数の層からなる飛膜を持っているが、これは現存種には見られないものだ。

 

「その繊維状の組織が何なのかはわかっていないが、翼竜の飛行に非常に大きな影響をおよぼしていたことは確かだろう」と、ケルナー氏は電子メールでの取材に対して回答した。

 

 ハビブ氏の推測が正しいとすれば、巨大翼竜は大陸を縦横無尽に飛び回ることができただけでなく、頻繁に大陸間を飛行することができた可能性が高くなる。ほとんどの種は特定の地域を生息地とする傾向があるが、恐竜時代の飛行生物である翼竜はあちこちを飛び回る“スーパーバード”で、地球全域を住み処としていたほどだったかもしれない。

 

「巨大翼竜が非常に遠い距離を飛べたとすれば、その分布に関して科学界は考え方を変える必要があるかもしれない」とハビブ氏は語った。

 

 今回の研究は、ハビブ氏によりピッツバーグで10月10~13日に開催された古脊椎動物学会の年次総会で発表された。(2010.10.18の記事です)

 

Image by William James Warren, Science Faction/Corbis Images

 

文=Ker Thanさんの記事でした!

 

 

 

 

 

 

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