熱源「フレア」や、金属片「チャフ」を放出していた。

あわや空中戦、中国軍機がオーストラリア、カナダの哨戒機“妨害” 近距離からミサイル攻撃回避の熱源や金属片放出「明らかな国際法違反」

2022.6/7 

 

www.zakzak.co.jp

 

中国軍が南シナ海上空で〝暴挙〟を行っていた。4~5月にかけて、中国軍の戦闘機が、オーストラリアやカナダの哨戒機に相次いで異常接近していたのだ。オーストラリア軍機には、近距離からミサイル攻撃を回避するための熱源「フレア」や、金属片「チャフ」を放出していた。一部がエンジンに吸い込まれたといい、単純な挑発ではすみそうにない。

 

「非常に危険な行為であるのは明らかだ」「(中国軍機は)乗員と機体の安全を脅かした」

 

オーストラリアのマールス国防相は5日、緊迫した状況を説明した。

 

同国国防省によると、中国軍の戦闘機「殲16」は5月26日、南シナ海の公海上空で、オーストラリア空軍のP8A哨戒機に異常接近し、前方を至近距離で横切るなど航行を妨害したという。4月下旬から5月下旬にかけては、カナダ軍の哨戒機にも妨害行為を行っていた。

 

中国の暴挙はこれだけではない。

 

米CNNによると、中国軍機はオーストラリア軍機の目の前で、レーダーを妨害するための「フレア」や「チャフ」を放出していたという。CNNは「最悪の場合は墜落することもある」という専門家の見方を伝えた。

 

これに対し、中国外務省の趙立堅報道官は6日の記者会見で、「いかなる国であろうとも『航行の自由』の旗印を掲げて中国の主権や安全を侵犯し、南シナ海の平和と安定を脅かすことを絶対に認めない」などと、一方的な正当性を主張した。

 

一連の危険行為をどう見るか。

 

戦闘機パイロットの経験もある佐藤守・元空将は「フレアがエンジンに入れば、内部を傷つける可能性がある。中国の戦闘機が、哨戒機の前方を横切るなどして飛行を妨害することにさらに大きな問題があり、明らかな国際法違反だ。中国は『俺たちはこれだけできるぞ』と、他国に装備や技量を誇示するつもりだろう。報道官は勇ましく西側諸国に反論しているが、『弱い犬ほどよく吠える』の典型といえる」と指摘した。

 

 

中国軍の戦闘機「殲16」(台湾国防部提供・共同)

 

 

 

中国軍の戦闘機がオーストラリア軍の「P8A哨戒機」(写真 国防省提供・共同)を妨害した