臓器あっせん、ＮＰＯ理事長「あと２０００万出さないと俺はやらない」…患者脅し多額の利益か
２０２３年２月１５日（水）
臓器あっせん、ＮＰＯ理事長「あと２０００万出さないと俺はやらない」…患者脅し多額の利益か : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
ＮＰＯ法人「難病患者支援の会」（東京）の臓器あっせん事件で、ＮＰＯ理事長の菊池
臓器の海外仲介２０年野放し、団体は国内に複数存在…法の不備を国会で議論へ
ＮＰＯ関係者らによると、患者男性は当時４０歳代で、肝硬変の症状が悪化して肝臓と腎臓の移植が必要となり、昨年、ＮＰＯのホームページを見て菊池容疑者に連絡を取った。菊池容疑者は男性側にベラルーシの病院の写真を見せ、「帰国後は大学病院に入院できる」などと言って海外移植を勧めたという。
読売新聞は、菊池容疑者とＮＰＯ関係者が昨年５月下旬、この患者男性について話した会話の録音記録を入手した。
録音記録によると、菊池容疑者は患者側から苦情を寄せられることがあったなどと明かし、「じゃあ降りる（移植の仲介をやめる）って言ったら黙っちゃって。悪いけど、あと２０００万円出さないと俺はやらないよって言ったら、プラス２０００万円振り込んできたよ」などと発言。さらに、「ほかに（海外移植を）やるところがないじゃん。うち以外に。俺が降りていいのかよって。もっと脅かしてやろうかと思ったけど、金だけ取ればいいからさ」とも話していた。
男性は昨年４月に着手金として約３００万円をＮＰＯに支払った後、同５月に約８２００万円をＮＰＯの口座に入金し、ベラルーシに渡航した。その後、同９月１日に首都ミンスクの病院で肝臓と腎臓の同時移植を受けたが、術後に腹膜炎を起こして同２８日に亡くなった。生体移植ではなく、現地で死亡した人からの臓器提供だった。
現地の病院に支払われた手術費などは約２５万ドル（約３３００万円）だったという。警視庁は、交通費や現地滞在費、人件費などを差し引いても、ＮＰＯに多額の利益が残った可能性があるとみている。
ＮＰＯは昨年、この男性を含む日本人患者３人をベラルーシに案内した。警視庁は、このうち同２月に現地で肝臓移植を受けた別の４０歳代男性について、厚生労働相の許可を得ずに移植をあっせんしたとして、臓器移植法違反容疑で菊池容疑者を逮捕した。
この４０歳代男性もその後、容体を悪化させ、日本で家族から生体肝移植を受けた後に死亡している。
腎移植受けた男性「説明いいかげん」
ＮＰＯの仲介で昨年、ベラルーシに渡航した日本人患者３人のうち、腎臓移植を受けた５０歳代男性が読売新聞の取材に応じた。
男性は４年ほど前に慢性腎不全と診断され、腎臓の移植を希望するようになった。だが、国内では移植までの待機期間が平均約１４年間とされており、男性は２０２０年夏頃、インターネット検索で見つけたＮＰＯに連絡を取った。
菊池容疑者から説明を受け、最終的に移植を決めたのは昨年１月頃。ＮＰＯの口座に移植費用として１８５０万円を入金し、同６月にベラルーシに渡航した。手術までの待機中、現地で週３回の透析を受け、医師や看護師とはスマートフォンの翻訳ソフトを通じて意思疎通を図ったという。
ドナー（臓器提供者）が見つかり、腎臓移植を受けたのは同７月。手術は成功し、大きな拒絶反応もなく同月末に帰国した。
だが、ＮＰＯの紹介で通院予定だった大学病院に連絡すると、「海外移植の患者は受け入れていない」と診察を断られた。知人に頼み、何とか別の民間病院を見つけて通院することができたという。
男性は「ＮＰＯの説明はいいかげんで、警察による取り締まりに驚きはない」とし、「国内での移植が難しくてＮＰＯを頼らざるを得なかった。国は臓器提供者を増やす対策を進めてほしい」と話した。
臓器の海外仲介２０年野放し、団体は国内に複数存在…法の不備を国会で議論へ
２０２３年２月２０日（月）
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