食べる順番を変えたりすると効果的です。

昼食後に眠くなるのはなぜ? どうすれば防げる? 原因&対策を医師に聞く

2024年04月10日(水) 著者 : オトナンサー編集部さんの記事です!

アドバイザー : 溝口徹(みぞぐち・とおる)さんです。

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昼食後の眠気を抑えるには、どのような対策が有効なのでしょうか。医師に聞きました。

 

 昼食後に眠くなった経験がある人は多いと思います。その際、眠気がひどく、仕事や勉強がはかどらなかったことはありませんか。SNS上では「昼食後に眠気が襲ってくる」「昼食後のミーティングは死ぬほど眠い」という声が上がっています。

 なぜ昼食後に眠くなってしまうのでしょうか。午後の眠気を抑えるために、昼食を抜くのは問題ないのでしょうか。有効な対策について、「みぞぐちクリニック」(東京都中央区)の溝口徹院長に聞きました。

 

昼食を抜くとカロリー不足で低血糖の恐れ

Q.そもそも、昼食後に眠くなってしまうのはなぜなのでしょうか。原因について、教えてください。

溝口さん

「昼食後の眠気は、血糖値の急激な低下による『低血糖』が原因の可能性があります通常、血糖値は食事をしても穏やかに上昇し、その後、穏やかに下降していくのが、体にトラブルが起きず、理想的な動きです。

血糖値は空腹時で80ml/dl、食後一番高くなっても140ml/dlの間を動くのが正常なのですが、1回の食事で炭水化物や糖質を多く摂取すると、血糖値が正常の範囲を超え、高血糖の状態になります。

すると、体のシステムが上がり過ぎた血糖値を下げようと、インスリンホルモンを出し、血糖値を下げて正常に戻そうとします。その際、インスリンホルモンが必要以上に多く出てしまい、血糖値を下げ過ぎてしまうことがあります。

血糖値が80ml/dlを下回ると低血糖の状態になり、眠気や空腹感、脱力感、気が遠くなる(ぼーっとする)、思考低下、めまいなどの低血糖の症状が起きます。

昼食後に眠くなる人は、血糖値が急に上がり、その反動で血糖値が下がり過ぎてしまっている可能性があります。昼食時におにぎりや春雨スープ、パン、パスタ、麺類、丼ものなど、いわゆる炭水化物が多いメニューを食べていたら要注意です。

私の病院の患者さまの食事による血糖の動きを紹介します。患者さまが昼にパンをたくさん食べた日は、午後3時から午後5時にかけて、血糖値が急激に低下しています。患者さまは、その時間帯に強い眠気を感じていたということです。

反対に、別の日の昼食に糖質制限のお弁当を食べたところ、食後の血糖変動は穏やかな動きになっており、眠気も起きていません。食事内容によって、食後の眠気に違いがあることがよく分かります。ぜひ、食事を工夫してみてくださいね」

 

Q.では、昼食後の眠気を抑えるには、どうしたらよいのでしょうか。

 

溝口さん

「血糖値を急上昇させないことが有効です。血糖値は糖質に反応し、変動します。そこで、昼食時に糖質の摂取量を減らしたり、食べる順番を変えたりすると効果的です。

肉や魚などに含まれるタンパク質や脂質は血糖値を急上昇させないため、肉や魚、野菜類、スープ類を先に食べ、最後に白米やパン、麺など、炭水化物を多く含む料理を食べると良いでしょう白米やパン、麺の量を半分程度に減らし、その分、おかずを一品増やしたり、増量したりするなどすれば、カロリー不足にならずに済みます。

いつもよりゆっくり食べて時間をかけたり、食後に20分程度の運動をしたりするのも良い方法です。筋肉が糖質を消費してくれるため、血糖値の動きを穏やかにします。スクワットや早歩きなど、少し負荷がかかる運動がお勧めです」

 

Q.昼食後に眠くなるという理由で、あえて昼食を取らない人もいるようです。この取り組みは有効なのでしょうか。

 

溝口さん

「昼食を抜くのは、あまりお勧めしません。カロリー不足に陥った場合も、低血糖の症状が出やすくなるからです。昼食を抜いて仕事をする人は、集中力がある人だと思います。そういった人は、カロリーが不足し低血糖の症状が出そうになっても、交感神経を優位にして仕事に集中しているため、日中はあまり低血糖の症状を感じにくい傾向にあります。

しかし、睡眠の質が悪くなったり、寝ても疲れが取れていなかったりするほか、『イライラしやすい』『ささいなことが気になりやすい』といった症状が出ることがあります。食事を抜いた後にこのような症状が出ていれば、空腹時間が長過ぎることでカロリー不足になり、低血糖に陥っている可能性があります。そこで、昼に何か食べることをお勧めします。

昼食時に満腹にしたくない場合は、ゆで卵を食べたり、カップスープにMCTオイルやアマニオイル、エゴマオイル、バターなど、血糖値に影響しないカロリー源を加えてエネルギーを補給したりすると、体に負担をかけず、より仕事に集中しやすくなります」

 

Q.昼食後に低血糖の状態に陥ってしまう場合、糖尿病などの病気の可能性は考えられるのでしょうか。受診の目安も含めて、教えてください。

 

溝口さん

「『低血糖の症状=糖尿病』というわけではありません。しかし、糖尿病も血糖調整のトラブルから引き起こされる病気であり、血糖トラブルに関して共通している部分があります。

ですが、糖尿病ではないものの、低血糖のような血糖の変動によって引き起こされるさまざまな症状について、理解のある医師は少ないのが現状です。

そこで、血糖の変動による症状が不安で受診したい場合、栄養療法の専門クリニックのほか、栄養と代謝について理解のある医師や糖尿病専門医が在籍している医療機関を探すとよいでしょう」

(オトナンサー編集部)さんの記事でした。

 

【画像】急激な上昇は眠気の原因に  これが食事後の“血糖値”の動きです

40代の男性患者の持続血糖測定の結果。初日:血糖値の動きが大きい状態で入眠。寝ている間の血糖値の動きが大きく交感神経が緊張して、筋肉のこわばり、くいしばり、悪夢などの原因になっている。2日目:午後から糖質制限して血糖値を安定、寝ている間も血糖値が安定し、快適な目覚めに。3日目:試しにランチの際にパンをおなかいっぱい食べてみたところ、血糖値が急上昇し、その後急激に低下。そのときに耐えがたい眠気が生じたという
(みぞぐちクリニック・溝口徹院長提供)

 

 

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