誕生から約1億年の若い恒星の集団で、

若い星団の中に隠れたブラックホール発見、近隣の銀河に

 

2021年11/12(金)

 

 

(CNN) 天の川銀河に近い大マゼラン雲で、数千個の恒星からなる星団の中に隠れていたブラックホールを発見したと英国などの研究者が発表した。

 

このブラックホール地球から約16万光年の距離にあり、質量は太陽の11倍ある。

 

研究者らは南米チリにある欧州南天天文台超大型望遠鏡を使い、ブラックホールが近隣の恒星の動きに与える影響を観察した。この恒星の質量は太陽の約5倍。

 

 

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何時ものヤフーさんから拝借

 

誕生から約1億年の若い恒星の集団で、こうした方法でブラックホールを見つけたのは初めて。これにより、今後天の川銀河や他の銀河で隠れているブラックホールを見つけるのが容易になる可能性がある。

 

この発見は学術誌「王立天文学会月報」で発表された。

 

論文の筆頭著者でリバプールジョン・ムーア大学の研究者、サラ・サラチーノ氏はシャーロック・ホームズが犯罪組織をその犯したミスから追い詰めていくように、我々も拡大鏡を片手に、直接見ることができないブラックホールの存在の証拠を探そうとしている」と語る。

 

「今回示した結果はお尋ね者の1人を示したに過ぎないが、1人が見つかれば、他の集団にいるたくさんの犯人を見つける道筋がつく」(サラチーノ氏)

 

目に見えないブラックホールは見つけるのが困難だが、その動きによって存在が明らかになる傾向がある。周囲の物質を飲み込む際にエックス線が放出されたり、他のブラックホールや密度の濃い中性子星とぶつかるときに重力波が発生したりする。

 

だが、すべてのブラックホールが等しく作られているわけではない。今回発見されたものは小さめで、他の多数の星と異なる特有の動きをする恒星を観察することでしかその存在を確認できなかった。

 

今後はこの方法を使って他の若いブラックホールを探してその進化を理解したり、より年老いた星団にある大型のブラックホールと比較してブラックホールの成長を解明することにつながる可能性がある。