今回の裁判で国が支払う1億1000万円超の賠償金原資は税金だ。

不都合隠しに巨額税金もいとわない卑劣…雅子さんが描いた国の代理人の顔

2021/12/16  相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者さんの記事です!

 

 

「ふざけんな! と思いました。惨敗したような、大負けに負けたような気持ちです」

 

■国が「認諾」で裁判強制終了

 

 激しい思いが言葉になった。財務省公文書改ざん事件の原告、赤木雅子さん。改ざん事件で命を絶った夫、俊夫さんの死の真相を解明するため、国と佐川宣寿財務省理財局長を相手に裁判を起こした。15日、大阪地裁で行われた非公開の協議で、国はいきなり「認諾」を申し出た。原告の請求金額を丸ごと認めて賠償金を支払い、裁判を終わらせる手続きだ。提訴から1年9カ月、国との裁判はあっけなく終わった。

 

 原告の訴え通りに賠償を払うのだから、普通ならば原告にとって勝訴同然で、めでたい話ということになる。それがなぜ「ふざけんな」という言葉になるのか?

 

 赤木雅子さんはこの裁判でお金がほしかったわけではない。賠償を求める形にしないと裁判にならないから請求はしたが、本当に望んでいるのは真相の解明だ。改ざんはなぜ行われたのか? 夫が反対しても無理やりさせた責任は誰にあるのか? 改ざんした文書は森友学園との土地取引に関するものだ。この取引自体に問題があるのではないか?

 

 それを、裁判で資料を請求し、関係者に法廷で証言を求めて、真実を知りたかった。ところが認諾されてしまうと賠償の支払いで裁判は終わってしまう。証人の証言も実現できない。真相を解明されたくないから無理やり裁判を終わらせたのか?

 

「あなた方の顔を忘れない」

 

 雅子さんは協議の席で国の代理人に語り掛けた。

 

「夫は国に殺されたと思っています。何度も何度も殺されて、きょうまた殺されました」

 

 その間、国の代理人8人はじっとうつむいていた。雅子さんは思わず言った。

 

「あなた方、私の顔を見てください。私もあなた方のきょうの顔を忘れません」

 

 赤木さんの言葉が終わると、国の代理人はそそくさと帰っていった。法廷を出たところで筆者は彼らに「国の代理人の方ですよね」と声をかけたが、誰一人何も言わず足早に立ち去った。

 

 雅子さんは彼らの一人の顔を法廷でスケッチしていた(写真)。うつむいて黙りこくったまま反応のない姿。雅子さんは法廷でこういう人たちと向き合ってきたのだ。

 

 さて、これですべてが終わってしまうのだろうか? そんなことはない。国との国賠訴訟は終わっても、まだ佐川元理財局長との裁判が残っている。改ざんを指示したとされる佐川さんとの裁判を通し、佐川さん本人や関係者の証言を求める道もある。

 

 闘いはまだ続く。臭いものにふたをしようとする相手の思い通りにはさせない。何としても真相にたどり着いてみせる。今回の裁判で国が支払う1億1000万円超の賠償金はそのための軍資金となりうるだろう。

 

それにしても、この賠償金の原資は税金だ不都合なことを知られないためなら巨額の税金を使うこともいとわない。そんなことがあっていいはずがない。

 

 この国に暮らす心ある人々すべてに、この卑劣さと不条理を知ってもらい、「許せない」と声をあげてほしい。そう痛感した一日だった。

 

 

 

 

 

この卑劣さと不条理が下記にも有りますよ!

データ書き換え 『すべての数字を消す』『全ての調査票の受注高を足し上げる』 建設工事受注動態統計 2013 国土交通省 アベノミクス 安倍晋三 日本 20211215

 

2021年12月15日   

 

 

 国土交通省都道府県の建設工事受注動態統計の担当者向けに配布した資料には、『すべての数字を消す』『全ての調査票の受注高を足し上げる』との指示が記されています。
 基幹統計のデータ書き換えは、国の指示を受けた都道府県の職員らの手で行われています。
 建設業者が鉛筆で書いてきた受注実績を、消しゴムで消して書き換えています。

 

「すべての数字を消す」国が指示 消しゴムで書き換えた統計データ

有料会員記事国交省の統計書き換え問題

 

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朝日新聞が入手した国土交通省都道府県向けの説明資料。業者が遅れて提出した調査票の受注実績を消し、最新月の数字のように書き換える指示が示されている

 

 同じ業者の受注実績を『二重計上』したものが公表した統計に含まれています。
 8年前の2013年から建設工事受注動態統計のデータ書き換えが行われていることが明らかとなっています。

国交省、基幹統計書き換え 8年前から二重計上 建設受注統計、法違反の恐れ

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書き換えのイメージ

 

 2013年当時は、安倍晋三元首相による第2次安倍内閣にあたります。
 当時の国土交通大臣は、太田昭宏となっています。
 また、岸田文雄首相は、外務大臣として第2次安倍内閣の閣僚となっています。
 第2次安倍内閣では、アベノミクスを打ち出しています。
 以上から、アベノミクスが成功しているかのように見せかけるため、建設工事受注動態統計のデータ書き換えが国土交通省の指示によって行われるようになったと判断されます。
 また、国土交通省の建設工事受注動態統計だけでなく、他にも書き換えられた統計が存在している可能性が高いと判断されます。