『カモリスト』は『闇リスト』より、さらに高額で転売されます。

「カモリスト」に載るのは「闇リスト」でダマされた被害者…高額転売の実態と犯行手口

公開日:

 

「カモリスト」に載るのは「闇リスト」でダマされた被害者…高額転売の実態と犯行手口|日刊ゲンダイDIGITAL (nikkan-gendai.com)

 

 特殊詐欺被害の次は、タタキ(強盗)被害とは踏んだり蹴ったりだ。

 

 先月26日、福島県南相馬市の住宅で星邦康さん(77)と妻が複数の男に襲われて大けがをして、現金10万円と貴金属を奪われた強盗殺人未遂事件。星さんは以前、特殊詐欺の被害にも遭っていた。

 

 2011年の東日本大震災の発生前、特殊詐欺グループから押収した「闇リスト」に星さんの名前が記載されていたことが判明。福島県警は当時、星さんに防犯の強化を呼びかけ、本人たちも意識していたそうだが、その後、詐欺グループに狙われ、詐欺被害に遭っていた。

 

 特殊詐欺グループは、「闇リスト」をもとに、ターゲットを絞り込んでいくようだ。

 

 特殊詐欺に詳しい関係者がこう言う。

 

『闇リスト』は数十万円のものから数百万円までさまざまあり、詐欺グループにダマされた被害者は、『カモリスト』に載るんです。言い方は悪いが、『闇リスト』から『カモリスト』にステップアップする。ダマされやすい人は何度もダマされますから、『カモリスト』は『闇リスト』より、さらに高額で転売されます。

 

『家主がボケている』『1000万円の成果』というものから、『高齢の1人暮らし『資産はあと〇千万円』といった情報や、高額商品の購入履歴なども記載されています。

一度被害に遭うと、詐欺グループの間で情報がたらい回しにされます。グループはそれぞれ還付金詐欺など、手を替え品を替え、さらに金をダマし取ろうとする。『カモリスト』に名前が載ってしまうと、ケツの毛まで抜かれるリスクがある」

 

■一度載ったら名前が消えることはない

 

 南相馬市の強盗殺人未遂事件のように、同じ家をターゲットにして「タタキ」にシフトするケースもある。

 

「『闇リスト』を使ってかけ子が情報収集に成功したとしても、金をダマし取れるとは限りません。肝心の受け子が警戒され、キャッシュカードのすり替えに失敗したり、暗証番号を聞き出せないこともある。そうなったとしても、『闇リスト』で資産状況は把握していますから、犯罪グループはタタキで金を奪おうとする。ルフィグループはフィリピンで身柄を拘束されていたため、すぐに逮捕されましたが、闇バイトと匿名性の高い通信アプリ『テレグラム』を使えば、指示役を特定することが難しいことがあらためて明らかになった。かけ子や受け子など人手と手間が必要な特殊詐欺と違い、タタキは情報と闇バイトさえいれば簡単にできます。『カモリスト』に一度名前が載ると、リストから消えることはなく、一生ターゲットになります」

(前出の関係者)

 

リストに名前が載っている住人は、不安で仕方ないだろう。

 

 

 

タタキは情報と闇バイトさえいれば簡単にできます。『カモリスト』に一度名前が載ると、リストから消えることはなく、一生ターゲットになります」(前出の関係者)