「税理士事務所」(30件→81件)が大幅に増加

2023年の企業の休廃業は5万9105件 「あきらめ廃業」広がりの兆し

2024年01月18日(木) ITmediaビジネスONLINEさんの記事です!

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 2023年は市場から4.0%の企業が消滅した。そんな結果が、帝国データバンクが実施した調査で分かった。2023年に全国で休廃業した企業は5万9105件で、消失した売上高は合計2兆8424億円にのぼった。

 

 

休廃業・解散の件数と推移

 調査は帝国データバンクが調査・保有する企業データベースのほか、各種法人データベースを基に集計した。

 

 企業の休廃業は、23年初旬まで減少傾向だったが夏以降に急増し、16年以降で最少だった22年(5万3426件)から10.6%増えたほか、4年ぶりに前年を上回った。休廃業した企業の雇用は累計7万8053人に及び、前年(8万2053人)から4000人減少した。

 休廃業した企業のうち、「資産超過型休廃業」は62.3%を占めたほか休廃業直前の決算で当期純損益が「黒字」だった企業は51.9%で、過去最低を更新した。

 

 「資産超過」かつ「黒字」状態で休廃業した企業の割合は16.1%と、16年以降で最も高かったコロナ禍直後の20年(17.0%)に次いで過去5年間で2番目に高い水準だった。23年の休廃業動向は、特に直近の損益が大幅に悪化した企業に多かった。

 

 帝国データバンクは「さらなる経営悪化に陥る前にやむなく会社を畳む『あきらめ廃業』を余儀なくされた中小企業が多く発生した可能性がある」と分析する。

 

「東京都」(1万3376件)が全国で唯一「1万件」超

 

 休廃業時の経営者年齢を見ると、平均が70.9歳で、ピーク年齢は74歳だった。いずれも前年を下回ったのは、16年以降で初となった。

 年代別では「70代」(42.6%)が最も多く、事業承継がスムーズに進まず、後継者へのバトンタッチができないまま代表者の高齢化が進み、休廃業・解散を余儀なくされたことがうかがえた。

 都道府県別では、「東京都」(1万3376件)が最多となり、全国で唯一1万件を超えた。1000件を超えた都道府県は14に上り、前年に比べて発生件数が増加した都道府県は43で、前年件数を下回ったのは4県にとどまった。

 

 増加率では「徳島県」(31.4ポイント増)が最も高く、以下、「大分県」(27.2ポイント増)、「富山県」(26.5ポイント増)と続いた。

 

 業種別では、「建設業」(7628件)が過去5年で最多となった。増加率では「卸売業」(3527件、12.2ポイント増)、「小売業」(3807件、11.3ポイント増)など5業種で大幅に増えた。

 

 詳細を見ると、「税理士事務所」(30件→81件)が大幅に増加し、高齢化、競争激化、顧問料の低下、インボイス制度の導入など新たな業務のスタートも影響したとみられる。

 

 増加率上位の業種のうち、「中古車小売」(110件→166件)は過去5年で最も多かった。23年に業界大手で不正が相次いで発覚したことも要因とみられる。

 

 23年に入り支援策の縮小、物価高、人件費増などから廃業を選択する企業が多かった一方で、「廃業支援型バイアウト」など、廃業を前提とした経営支援を金融機関が後押しする事例も活発化するなど、事業環境の先行きを見すえた廃業の動きが広がっている。

 

 同社は「先を見すえた経営判断を求められる機会が増えるとみられ、24年の企業における休廃業・解散は高水準で推移する可能性もある」と指摘する。

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