〝あきらめ倒産〟
“コロナ倒産”危ない300社 有名企業や東証1部を含む上場企業…反社会勢力との関係が深い企業も
2022.3/7
経営やコンプライアンス(法令順守)などに問題を抱える
300社を実名で発表する会員制報告会が開かれた。リストには東証1部上場企業や有名企業も名を連ねている。コロナ禍で過酷な財務状況となった企業などの内幕が次々に明かされた。ウクライナ問題の世界経済への影響も懸念され、企業業績の先行きも不透明感を増している。
信用調査会社「東京経済」が東京都内で開いた報告会には銀行、商社やノンバンクの審査担当者らが詰めかけた。
300社の社名と取引銀行が記された最新リストには東証1部を含む上場企業が13社含まれる。具体的な社名や分析の具体的な引用は控えるが、コロナ禍のあおりを受けた企業が多い。
飲食関連で複数の業態や店舗を展開するA社(アルファベットは社名と無関係、以下同じ)は、「コロナ協力金を担保に入れ、苦しい懐事情」と明かされた。
著名人が関係するなどして売り上げ好調だった健康関連のB社も「直近の連続赤字で利益が食いつぶされている。今期もさらなる悪化が予想される」と分析された。急速に利用者数を増やしたIT系のC社は「支払いぶりが悪いという評判」などが問題視された。
大物俳優のCMで知られたメーカーのD社は「支払い条件変更の噂」があるとされ、人気アーティストを起用したCMでも知られたサービス系のE社は「不振が継続し、有利子負債が年商レベル」と評された。
社内の不穏な空気による先行き懸念もあり、F社は「元幹部が現役幹部の不正を握っている」といい、製造関連のG社はトップの辞任がささやかれているとした。
東京経済東京支社情報部副部長の森田幸典氏は「コロナ禍で過剰債務を抱える企業が確実に増えるなか、春以降にコロナ融資の据え置き期間が終了する企業も相次ぐ。政府の支援策縮小や金融機関の支援継続選別が起こるのは確実で、先行きを悲観した経営者の〝あきらめ倒産〟を含めて倒産が増える1年になる」と解説する。
刑事事件や反社会勢力との関係が深い企業も後を絶たない。H社は「社長が大規模不正事件の当事者の知人」、I社は「実質経営者が逮捕歴複数の暴力団幹部」とされる。森田氏は「反社関係者が介入したのち、不正受給や倒産が表面化するケースはコロナ禍でいっそう目立つ」と警鐘を鳴らした。
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