蓄電所が今回、発電所として明確に位置付けられた

「蓄電所」ビジネスが本格始動、再エネ移行の鍵握る-新規参入相次ぐ

2022年9月2日(金)

 

news.yahoo.co.jp

 

ブルームバーグ): 電力を蓄える「蓄電所」ビジネスが、国の後押しを受けて本格的に始動する。電力会社に加え、オリックス住友商事などの事業会社も同事業への参入を表明した。

 

政府は2050年に温暖化ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを掲げており、今後、再生可能エネルギー利用の大幅増が見込まれる。蓄電所との組み合わせが、その安定供給に寄与すると期待されている。

 

オリックス関西電力は7月、和歌山県紀の川市に約1万3000世帯の1日分の電力に当たる113メガワットアワーをためられる蓄電所を建設すると発表した。24年4月の運転開始を目指す。

 

住友商広報担当の長尾拓海氏によると、同社は20メガワットアワーの容量を持つ蓄電所を北海道千歳市に建設中で、24年3月までの稼働を目標としている。日産自動車の電気自動車の使用済み電池を再利用しているのが特徴だ。

 

巨大な蓄電池ともいえる蓄電所は、電力が安い時間帯に市場で買って充電し、電力不足の時に販売することなどで差額を利益にする事業モデルで、太陽光発電など、発電量の調整力が従来の火力発電などに比べて弱い再生可能エネルギーとの相性が良い。例えば、日差しの強い昼間に電力を安く仕入れ、不足する早朝や夕方に販売することで需給のバランスをある程度調整することができるからだ。

 

これまでも国内で大型の蓄電池は稼働していた。基本的には発電所の敷地内や商業ビルなどに併設され、施設内の需給安定化を図っていた。

 

これに対し、蓄電所は特定の施設ではなく、送配電網そのものに接続して電力システム全体の安定化に一役買う新しい事業だ。今年5月の電気事業法の改正で、蓄電所が発電事業として明確に位置付けられ、電力会社は事業者から要請されたら接続できる環境を整えることとされた。

 

オリックス環境エネルギー本部の新規ビジネスチームでチーム長を務める末光太郎氏は「前例のない事業は許認可を含めた行政や地元自治体との協議が難航したり時間がかかったりするものだが、蓄電所が今回、発電所として明確に位置付けられたことで、こうした交渉が進めやすくなるのではと思っている」と歓迎する。

 

国が事業者へ補助金を交付

 

新規参入を促すため、国は蓄電所事業者へ補助金も出す。オリックスと住友商を含め、既に13のプロジェクトへの交付が決まっている。オリックスと関西電のプロジェクトの場合、投資総額約80億円のうち25億円を補助金で賄う予定だ。

 

さらに採算面では、電力量を取引する既存の電力市場に加えて、発電量の調整力を提供して報酬を得る「需給調整市場」などが立ち上がりつつある。瞬時に充放電できる特性を持つ蓄電所は調整力の有力な担い手であり、末光氏は「これまで収益化が難しかった蓄電池事業に新たな収益機会が広がると期待している」と述べた。

 

政府が蓄電所の環境整備を急ぐのは、再生可能エネルギーへの移行を急ピッチで進める必要があるからだ。第6次エネルギー基本計画によると、20年度に19.8%だった国内の再生可能エネルギーの割合を30年度に36ー38%まで高める方針。調整力不足を補う蓄電所がある程度必要になってくる。

 

世界では既に蓄電所の存在感が高まっており、ブルームバーグNEF(BNEF)のデータによると、21年の世界の蓄電池プロジェクト(車載用を除く)の44%が蓄電所に相当するものとなっている。

 

30年に世界6位の規模

 

今後の展開について、住友商の長尾氏は「26年度末までに累積で100メガワットの蓄電池事業を実現することが当面の目標」とし、事業を積極化させる同社の方針を確認した。オリックスの末光氏は「何も決まっていないが、今後の展開も当然検討していく」と述べた。

 

BNEFの試算によると、世界の蓄電池市場(車載用を除く)の規模は22年から30年までに年平均30%の割合で成長する。世界の2大市場である米国と中国のペースには及ばないが、日本では補助金など政府の支援を受けてプロジェクトが増えていくと予想し、30年に世界6位の1万889ギガワットの蓄電規模(出力ベース)になるとみている。

 

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(c)2022 Bloomberg L.P.

 

Takako Taniguchi さんの記事でした!

 

 

 

 

 

 

🙋疑問!何故別事業?!(既に送電網も出来上がっている、変電所を利用しない?!)

前回同様に「雨後の筍」に成るのでは?!経団連の策略?!(大企業に設備投資をさせずに、内部留保金Or政治献金?!)