新工法は床版を車線ごとに組むため、片側交互通行が可能になるという。

現場作業期間2カ月が10日に 橋梁改修「プレキャスト」で工期短縮 小野工業所・東北大などが新工法

2022年9月3日(土)

 

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 建設業の小野工業所(福島市)と建築用金具製造の後関(ごせき)製作所(東京)、東北大などは、鉄筋コンクリート製中小橋梁(きょうりょう)の改修工期を大幅に短縮できる新工法を開発した。従来は路面部分を現場で造成していたが、新工法は工場で事前に分割して製造する「プレキャスト」を採用。2019年の実証実験では通常2カ月の現場作業を10日まで縮めた。関係者は「市民生活への影響を低減できる。多くの自治体に広げたい」と意気込む。

 

 

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■省人化や品質向上に効果

 

 新工法の開発は、市町村が管理する中小規模の橋での導入を目指し、17年に始動。両社と東北大、岩手大、日大の5者で進めてきた。

 

橋は従来、路面部材の「床版(しょうばん)」を現地で鉄筋を組み、コンクリートを流し込む工法で造ってきた。新工法は床版を工場で分割して製造した上で、現場に運んで接合。課題だったつなぎ目の強度確保は、両社が開発し、特許を取得した特殊部材を使うことで解決した。

 

 実証実験は東北大と上山市が提携し、市が管理する橋の工事で行った。橋は全長約16メートル、幅約7メートル。通常は現場作業に約2カ月を要する規模だが、実験では10日間で完了。作業員もコンクリートの打設工や左官工らを一度に20~30人そろえなければならなかったのが8人で済み、建設業界が抱える技術者不足の問題にも効果を発揮した。

 

 床版を現場で製造する従来工法では、気温や天候の影響で品質を保つのが難しかった。工場内で作れる新工法はこの点でも有利。工事中の橋の利用についても、従来は古い床版を全て壊してから作り直すために全面通行止めが長期に及んだが、新工法は床版を車線ごとに組むため、片側交互通行が可能になるという。

 

 新工法は既に秋田県男鹿市で導入済みで、近く岩手県二戸市でも採用される。小野工業所などは導入拡大を目指し8月、国土交通省の審査を経て、公共工事向けの新技術情報を提供する同省のデータベース「NETIS」にこの工法を登録。特許取得の特殊部材の利用を条件に導入を売り込む方針だ。

 

 橋や道路などのインフラは高度経済成長期に造られた物が多く、各地で更新時期を迎えている。東北は他地域に比べて寒さや雪で劣化が進んでいるとの指摘があり、計画的な改修が課題となっている。

 

 小野工業所の関連会社で、新工法のコンサルタントなどを担う橋梁保全研究所(仙台市)の伊藤保雄社長は「新工法は工期短縮、省人化、品質向上の全てをかなえる。インフラの維持管理の課題解決の一助になりたい」と話す。

 

河北新報さんの記事でした!

 

 

 

 

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