国内では初となる9%ニッケル鋼を使った鏡板

山口県】軽くて強い9%ニッケル鋼鏡板 徳機が国内初の製品化

2022年10月4日(火) 

news.yahoo.co.jp

 

 山口県周南市の徳機(岡田哲矢社長)が、国内では初となる9%ニッケル鋼を使った鏡板を、船舶LNG液化天然ガス)燃料タンク向けに納入した。軽く強度に優れた同素材の製品化は注目を集め、現在、注文と問い合わせが続いている。

 

 鏡板は形状が鏡もちに似ていることからついた名前で、曲げ板の各辺を溶接した半円形の製品。圧力容器などの両端をふさいで密閉する。同社は石油プラントや舶用タンクに用いる大径のステンレス製鏡板を多く手がけ、鋼鈑の切断、曲げ加工、溶接、検査、出荷までを自社工場で一貫する。

 

 9%ニッケル鋼の鏡板は、愛媛県の造船会社、新来島どっくが徳機の技術力を見込み、2021年4月に製造を依頼した。自動車運搬船に搭載する1,500立方メートル型のLNG燃料タンク向けで、同素材は氷点下170度の超低温に耐え、ステンレス板より強度に勝り、薄く軽いなどの長所がある。一方、磁気を帯びやすいため加工が難しく、これまで製品化した企業はなかった。

 

 同社は同素材の潜在的な需要を見込み、脱磁器を使った溶接トレーニングで社員のスキルを底上げした。2021年10月に船級協会から溶接施工の認証を受けた。現在、10人以上の溶接技術認定者が、顧客からのオーダーに応えている。

 

 鏡板事業部の友弘隆士部長(68)は「将来はアンモニアや水素の燃料タンクに使われる鏡板も手がけたい。二酸化炭素の削減に向けた各社の動きにも対応できるよう技術力を高め、どんなものも加工できるよう社員一丸で取り組んでいく」と話した。

 

 

 

 

 

脱磁器を使った溶接トレーニングで社員のスキルを底上げした。

これぞ、技術者を育てる!ですよね!