南海トラフの巨大地震が12月や2月に集中しているのは統計学的にも不思議です。

内閣府が「被害想定」初発表の意味深…日本での巨大地震はなぜか冬に多い不気味

 

2021/12/23

 

 

 内閣府は21日、日本海溝沿いと千島海溝沿いで起きる二つの巨大地震について、初の被害想定を発表した。日本海溝地震三陸・日高沖(M9.1)、千島海溝地震は十勝・根室沖(M9.1)を想定。いずれも千葉県以北の太平洋側を中心に最大震度7の揺れ、最大約30メートルの津波が襲うとみられる。

 

日本海溝沿いの巨大地震「冬の深夜」なら死者20万人

 

 最悪のケースは「冬の深夜」に起きた場合だ。日本海溝沿いで、約19万9000人が死亡し、建物約22万棟が全壊・焼失すると推計される。21日は、久々に北海道の日高地方中部と国後島付近(それぞれ震度3)で地震が起こったタイミングだけに気がかりだ。

 

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阪神淡路大震災は年明けすぐだった(C)日刊ゲンダイ

 

 過去の大地震も冬に起こったケースが多い。たとえば南海トラフ巨大地震でいえば、記録の残る684年の白鳳地震から1946年の昭和南地震まで、12回のうち5回は12月、2月に2回起きている(そのほか、7~11月まで各1回)。

 

 武蔵野学院大島村英紀特任教授(地震学)が言う。

 

地震の発生に気温が影響するかなど原理は明らかになっていません。ただ、世界的に地震はランダムに起こっていると考えると、南海トラフの巨大地震が12月や2月に集中しているのは統計学的にも不思議です。そのほか、過去の巨大地震の発生時期を見ても、冬に巨大地震が起こりやすい理由はあると思います」

 

 南海トラフ以外では、1994年12月28日には、三陸はるか沖地震(M7.6)が発生。翌95年1月17日に阪神淡路大震災が起きている。

 

 歴史的には、1703年12月31日の元禄地震(相模トラフの大地震=M7.9以上)、さらに1611年12月2日の慶長三陸地震(M8.1)もこの時期に発生した。

 

備えておくことに越したことはない。